2021-04-11 自身の作品にVRMVという名称を使用することへの不信感 1分でつくったすぺしゃるかっこいいロゴ最初に 前回の記事『VRChat文脈におけるパーティクルライブだとかVRMVだとかの名称について(発祥とその背景)』でVRChatのコミュニティにおいてパーティクルライブとVRMVという名称を使用するに至った背景について書きました。よろしくね。個人的な考え 記事タイトルにもあるように、個人的にはVRChatコミュニティで制作された文脈上にあるものを「VRMV」と呼称するのは、今後のことを考えると迎合できるものではないと思っています。理由 端的にその理由を言うと、Youtubeに上げられている全天球動画(いわゆる360°動画)と言葉の上での差別化を行えないからです。 現状VRデバイス(HMD)よりスマートフォンが圧倒的に普及している中で、全天球に張り付けた360°動画や視差を利用した2画面動画の文脈で広く使われている「VRMV」という名称をプラットフォームによる違いだけで6DoFの立体空間における映像作品としてイメージを塗り替えていくのはかなり長期的な分の悪い発信を続けていかないといけません。 「スマホVRはVRじゃない!」というような主張と似た流れを繰り返していくのはあまりにも無益で手間がかかると思っています。パーティクルライブという名称 別途、パーティクルライブという名称についてはVRChatで初期から使われていた包括的な意味合いでの使用に対して変遷があり、前回の記事で書いたように「見られ方が変わってきているのに合わせて発信側も呼称を変えている」という状況にあります。 私としては呼称に対するイメージが『アバターから出して演者(パフォーマー)が何かするやつ(ダンスとか)』の認識に寄ってきていると感じているため、演者不在の制作形式を自分から「パーティクルライブです」というのには微妙な違和感があります。新規の名称考案 上記の理由を踏まえて、自身の作品に類する包括的な名称として『Solid Space Music Video(SSMV)』という名称を考案しました。 「立体空間におけるMusicVideo」を直訳したものです。 この名称の利点としてVRやARといった媒体や使用機器に縛られることなく、立体空間における作品全般に使用できる点があります。 動画というコンテンツがテレビでもスマホでもPCでも同一名称で扱うことが可能であるように、立体空間を内包する媒体において作品を同一名称で扱うことができます。この記事を書くに至った動機 前提として、単語の意味する内容は単語を生み出した人物がジャッジ権限をもつ(バーチャルYoutuberという枠組みはキズナアイの裁量で決まるように)という考えがあり、それとは別に一定ラインを超えると制御の利かない無意識的な合意による形づくりが始まります。 自分の感覚では「VRMV」という単語はすでに無意識的合意よる360°動画等などへのイメージの土壌が固まり今後その認識が加速していくという状態にあり。 「パーティクルライブ」という単語は演者を必要とする形へのイメージの移り変わりを感じています。(これは「VRMV」という呼称の出現による相対的なイメージの乖離という見方もある) また、どちらの単語も自身にジャッジ権限がないため、それを自分で規定して発信しイメージを塗り替えていくのはあまりにも傲慢かつ無謀だと感じているわけです。 その前提を踏まえたうえで、取り回しの良い名称として考案した「SSMV」にという呼称をごく個人的使用していくという表明の記事です。