バーチャル思考実験室

基本的にTwitterに書き捨てたものを拾い上げて整理してます。

VRChat文脈におけるパーティクルライブだとかVRMVだとかの名称について(発祥とその背景)

『パーティクルライブって言うけど最近の奴“パーティクル”でも“ライブ”でもなくない?』ーとあるVRChatterのぼやきよりー

こんな話が体感四周目くらいに突入してきたので、web上の辿れる情報を踏まえて単語の発祥とその背景について足跡を残しておくための記事です。

パーティクルライブという言葉の発祥

twitterにおいてパーティクルライブという言葉が(現在まで繋がる形で)最初に使われたのは2018年の5月6日にされたこのツイート。


この記事を読みに来るような人には説明する必要はほぼないと思うが、一応紹介しておくと2019年頃から現在までVR→xR系のライブ演出にて前線を走っているYORIMIYA氏である。
(※このYORIMIYA氏のツイート以前に1つだけパーティクルライブという単語にヒットする呟きがあるが、そちらはVRChatの文脈に合流するものではないため取り扱わないものとする。)
このYORIMIYA氏の呟きについて少し疑問に思う所を挙げるとすると、この時点で『パーティクルライブ』という言葉がある程度特定の作品群を指すような使われ方をしている点である。
恐らくログに残らない媒体(VRChatや通話アプリ等)によって作品を作るコミュニティ内で名称についての共通の認識合意があったのではないかと考えられる。

パーティクルライブという言葉の認知度の拡大

『パーティクルライブ』という言葉が制作者コミュニティから外へと発信された第一歩が2018年7月に行われたこのイベントであると思っている。


このなみた氏とYORIMIYA氏の作品公開に伴って作品の名称を対外的に『パーティクルライブ』として発信していく形になっていく。
また、この発信形式の原因発案元はこのやり取りからわかるようにYORIMIYA氏でしょう。

本人達に聞いてみた

上記の内容ではログの残らない媒体でのやり取り等について私の想像で補完している部分があるため、どうせならと思い本人たちに連絡をして当時の(検索では出てこない)時系列等について聞いてみました。
※YORIMIYAさんとなみたさんに通話を繋ぎ、そこで伺った当時のコミュニティ内の様子をインタビュー形式で載せようかと思いましたが、その形式で記事を書くノウハウがないので諦めました。

お二人から聞かせていただいた事の起こりの時系列をまとめると以下のようになるそうだ。


時系列まとめ
2018年4月28日

なみた氏がVRChatのコミュニティ内でライブ披露を行う。
そこに居合わせた人たち(YORIMIYA氏含む)で披露後の雑談を行う中、名称の話題が上がりVRライブやパーティクルライブ・VRMVと言ったものが挙げられるが結論は出ず。

同日

上記の直後にYORIMIYA氏が制作を開始する。

2018年5月6日

YORIMIYA氏による初「パーティクルライブ」を含むツイートがなされる

以上の内容を踏まえて本人たちに聞くところによると当初は『ライブ』という漠然とした名称での共通認識になっており、ハッシュタグを作る流れに至るまでの間は28日の雑談で挙げられた『パーティクルライブ』という名称をYORIMIYA氏がとりあえず使っていたということらしい。

VRMVという文脈への派生

上記の『パーティクルライブ』という名称での発信以降、2019年の中旬頃まで同様の作品に感化されて制作した人たちが自身の作品を『パーティクルライブ』として公開・発表する流れが作られてきた。(この記事を書いている私もその頃に流れに合流し『パーティクルライブを作ろう』などと呟いている。)
その中で『パーティクルライブ』という名称で制作を行っていたVRChatコミュニティの中から初めて『VRMV』という名称を用いたのが以下のツイートであると思われる。
※Reimhak氏が当時のツイートを削除していたため、本人に連絡を取ったところスクショの提供をしてもらえた。

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本人提供のスクショ

twitter.com
※VRChatコミュニティの中に限らなければ『VRMV』という名称はそこそこ広く且つ昔から使われているものであるが、それは記事の本旨と逸れるので省いている。

対外的な発信を含めたVRMVという名称の使用

Reimhak氏が自身の作品をVRMVとして対外的に発信し始めたのは、Vケット3に関わる以下のツイートであると本人は言っていた。

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本人提供のスクショ

Reimhak氏が『VRMV』という名称を用いて作品の公開を始め、ここから何人かが自身の作品に『VRMV』という名称を用いることになる。

作品自体の表現方法と認識のされ方の変遷

ここまでは制作側における名称の発生について書いてきたが、その名称の浸透とともに制作側及び作品を見る側がその名称に対してある程度のバイアスがかかった状態で作品が作られ、また認識されるようになってきた。
それに伴い制作物と名称の認識ズレが起きてきた結果が冒頭の『とあるVRChatterのぼやき』なわけである。
制作側が見る側の認識に合わせて呼称を変えていっている気もするし、またその逆で作品が見る側のバイアスをより強めていっているとも思われる。

まとめ

この記事は事実ベースでの時系列まとめをするだけのつもりでした。
しかし、連絡させていただいた全員から「とりあえずの呼称だからそんなにこだわってない、軽い気持ちで使ってるし使ってほしい。」という趣旨の話を伺えたので、そういった空気感がちょっとでも伝わると良いと思い御三方からひと言もらいました。

◆YORIMIYA◆ もともとはハッシュタグ用に提案した言葉なので、ここまで認識が広まると想像しておらず現状の界隈での認識ズレはしかたないと思ってます…(笑

◆なみた◆ 名前なんて飾りよ
◆Reimhak◆ そもそも既存の形態のMVをVRChatで見れるように作ったからVRMVと言っていたので、そこまで名称にこだわってないです。